リーグワン初優勝 奪取へ
あす、浦安DーRocks戦 in ノエビアスタジアム神戸 神戸新聞デー
ラグビー・リーグワン1部のコベルコ神戸スティーラーズが19日、「神戸新聞デー」として神戸市兵庫区のノエビアスタジアム神戸で浦安と対戦する。主力選手として日本選手権7連覇を果たした直後、阪神・淡路大震災を経験してから30年の節目に戻った弘津英司チームディレクターと、新加入で活躍が期待されるジョージ・ターナー選手に今季にかける思いを聞いた。
(本記事は、2025年1月18日付神戸新聞朝刊の記事を転載しております。)
▼チームディレクター 弘津英司氏
セットプレー改善、チーム力向上 阪神・淡路大震災から30年「勝って恩返しを」
―30年前のことから教えてほしい。
日本選手権で新日鉄釜石(現釜石)に並ぶ7連覇を達成した2日後。暗がりの中、青木(神戸市東灘区)の独身寮でベッドから放り出されて頭が真っ白になった。中庭に出て夜が明け始めると、1階が押しつぶされた家々や社宅の惨状が目に飛び込んできて、ラグビー部の皆で近所の人を救出して回った。その後は全国のグループ会社から神戸港に届く救援物資を社宅などへ届けるため、トラックに積み込む作業に泊まりがけで当たった。
液状化現象で泥の海になった神鋼灘浜グラウンドを見たのは、ずいぶん日数がたってから。その年は各自でランニングしたり、ジムに通ったりと自主トレの期間が長く、9月にグラウンドが復旧したもののラグビーに集中できる状況ではなかった。「ラグビーで元気づけて」「目指せ8連覇」。声をかけてくれる神戸のファンに応えたいとプレーしたが、全国社会人大会は8強止まりで、連覇は7で途切れた。
―それから30年たち、チームディレクターに就任した。
建物や高速道路が壊滅的な被害に遭い、神戸製鋼所も本社社屋や高炉が大きく傷ついた。だから直後は「本当に再生なんてできるのか」と将来を悲観したこともあった。だが「きれいな神戸の街を取り戻したい」と、「復興に取り組む人々の姿に勇気づけられ、われわれもラグビーで元気になってほしい」との思いを原動力に、前へ進むことができた。よくここまで頑張ってこられたと、神戸の皆さんに拍手を送りたい。30年の節目に合わせて、チームに戻れたことには縁を感じている。
―今シーズンにかける思いを。
昨季は攻撃、守備ともに好調で、その前のシーズンの9位から5位に浮上した。課題だったセットプレーの改善を図り、さらにチーム力も向上した今季はプレーオフ進出とその先にある優勝を目標にしている。30年前、皆さんの理解やサポートのおかげでラグビーを続けることができ、今のチームがある。リーグワン初優勝を果たして、何とかその恩返しをしたい。
今季、新加入のフッカー ジョージ・ターナー選手
タックルの強さ 持ち味 高パフォーマンスでチームに貢献
スコットランド代表として2019、23年のワールドカップ(W杯)に出場した身長180センチ、109キロのフッカー、ジョージ・ターナー選手が今季、新加入した。チームはラインアウトなどセットプレーの精度向上を目指している。
19年のW杯日本大会で初めて来日し、「人々の親切さや勤勉さ、おいしい日本の食に感動した」という。23年のW杯フランス大会後に南アフリカやニュージーランドなどの海外トッププレーヤーが続々と日本に移籍する様子を目にして、「自分も日本でプレーしてみたいと思いを募らせていた。そのチャンスに恵まれて、とても光栄」と笑顔で話し、初めて英国以外での暮らしを4人の家族と満喫中だ。
ボールを持って前に運ぶキャリーやタックルの強さが持ち味。さらに今季は、低くタックルに入る技術にたけた日本選手と対するため、下半身のフットワークも鍛えてきた。「高いパフォーマンスを発揮し続けて、優勝を目指すチームに貢献したい」と意気込んでいる。
阪神・淡路大震災の記憶継承 メモリアルジャージ着用
19日の試合では、「1・17メモリアルジャージ ~阪神・淡路大震災30年~」と名付けられた一日限りのユニホームを着て戦う。神戸ルミナリエのイルミネーションや毎年、東遊園地で行われる「1・17希望の灯(あか)り」を表現した厳かなデザイン。
震災後に生まれた選手が半数以上を占めるようになり、新加入の選手やスタッフに被災の記憶を継承する。弘津チームディレクターは「昨シーズンからチームの指揮を執るデイブ・レニーヘッドコーチも、震災から30年の今シーズンには特別な思いを持っている」と言う。また、ファンとも記憶を共有するため、2019年から毎年メッセージ動画を作成して、発生時刻の1月17日午前5時46分に公式ユーチューブで公開している。
神戸出身のロックバンド書き下ろし 応援ソングが試合盛り上げ
今シーズン、神戸の応援ソングが試合会場を熱く盛り上げている。
神戸市出身のロックバンド「フィアー・アンド・ロージング・イン・ラスベガス」が、神戸の試合を生で見て書き下ろした楽曲「Song of Steelers」。前身となる神戸製鋼ラグビー部の部歌の一部をもとに福本正幸前チームディレクターが作詞を担当し、今季開幕日に公開された。ワーナーミュージックなどと連携した「神戸市地域活性化プロジェクト」の一環で、今後シーズンを通して試合会場での演出に使用される。
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