2022年は長野県にとって、とても大切な祭事「善光寺御開帳」「諏訪大社御柱祭」「飯田お練りまつり」「穗髙神社遷宮祭」が、まるで“惑星直列”のごとく奇跡的に重なる年。コロナ禍で観光業が深刻な打撃を受ける中、長野県は今年を「信州観光復興元年」と位置づけ、特にこの大型祭事を軸としたキャンペーンを積極的に展開します。
今回、本ページを読んだ感想など、簡単なアンケートに答えてくれた方の中から抽選で信州の特産品をプレゼントします。ぜひ、最後までお読みください!
※当選発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。詳細はページ末に記載のフォームからお答えください。
◇あづみ野てらす
安曇野市の穗髙神社では、20年ごとに本殿を建て替える「大遷宮」と、7年ごとに修復や清掃を行う「小遷宮」のしきたりがあり、文明15(1483)年から連綿と受け継がれています。
小遷宮に当たる今年は、同神社でグルメや芸能、クラフトなどが楽しめる初の試み「あづみ野てらす」を開催(4月29日〜5月15日)。期間中は他にも、安曇野市在住の写真家佐藤大史さんの写真教室とトークショー、安曇野市内を会場とする「ロゲイニング」大会といった関連イベントも予定しています。
https://azumino-e-tabi.net/azumino-terrace
◇長野へはFDAで
北アルプス、中央アルプス、南アルプスという3つのアルプスを持つ山岳都市・長野へは、神戸、札幌、福岡と信州まつもと空港を結んでいるフジドリームエアラインズ(FDA)が便利です。関西だと、神戸空港からなんと1時間ほどで行くことができます。窓からは遠方ではありますが富士山を望めますし、なんといっても眼下に広がる御嶽山の堂々たる姿には圧倒されます。
機体は1機ごとに色が異なるカラフルな仕様で、信州まつもと空港に就航している11号機(緑色)は「アルプスマウンテンビュー」の愛称で親しまれています。また、空港からは松本バスターミナルのほか、安曇野・大町・白馬方面(要予約)を結ぶシャトルバスが運行しています。
それでは空港から足を延ばして、まずは太古のロマンが感じられる平出遺跡を訪ねてみましょう。
◇平出遺跡
15ヘクタールが国史跡に指定されている平出遺跡。1950(昭和25)年に始まった本格的な発掘調査によって、縄文時代から平安時代にかけて人々が生活していたと考えられています。現在は史跡指定地の一部が「平出遺跡公園」として整備されており、縄文時代、古墳時代、平安時代の村が復元されています。
https://tokimeguri.jp/guide/hiraideiseki/
近くの平出博物館には、平出遺跡や塩尻市内の別の遺跡から出土した土器や石器、土製品、鉄製品などが展示されています。国宝ならぬ「県宝」に指定されている緑釉水瓶(平安時代中期)、柴宮銅鐸(弥生時代後期)、菖蒲沢瓦塔(奈良時代)などのほか、どこかユーモラスな印象を受けるデザインの土偶も見ることができる施設です。
◇林農園
ワインの街としても有名な塩尻市。海抜700mの丘陵地帯・桔梗ヶ原には、「五一わいん」の醸造元として知られる林農園があります。
1911(明治44)年に創業者の林五一がこの地でブドウ栽培を開始。1919(大正8)年からワインの製造を始めました。現在の専務取締役、菊池敬さんによると、五一わいんの特長は「熟成感」。ワインは昨今、果実味が好まれる傾向にあるといい、菊池さんは「まあ、うちのワインはトレンドではありませんね」と笑いますが、言葉の端々に100年以上の歴史に裏打ちされた揺るぎない自信がにじみます。
広い園内には、1951(昭和26)年から栽培しているメルローの古木があります。「塩尻のメルローはここから始まったんです」と菊池さん。「味? 味はそうでもない(笑)」と謙遜しますが、この木から収穫されたブドウを使ったワイン「古木」は、五一わいんがずっと大切にしている銘柄のひとつです。
◇山賊焼
長野のソウルフードとして名高い「山賊焼」。ニンニクを効かせた醤油だれに漬け込んだ長野県産の鶏肉を油で揚げた豪快な料理です。JR塩尻駅にほど近い居酒屋「元祖 山賊」は、山賊焼発祥の店とされる有名店。3代目の高見直孝さんによると、山賊焼の歴史は実に70年から80年ほどになるといいます。
特長は、なんといってもその豪快な見た目。大人の手のひらほどの肉の塊が、大皿からはみ出さんばかりに存在を主張しています。高見さんからは「見た目の印象より優しい味ですよ」と聞いていましたが、なんのなんの! ニンニクの余韻は夜までしっかり続き、これぞ“B級グルメ”の真骨頂といった味わい。冷凍の全国発送も行っているほか、鶏もつ煮などのメニューも豊富です。
今年が穗髙神社の式年遷宮に当たる安曇野市。見どころはもちろん、他にもたくさんあります。
◇安曇野市天蚕センター
家蚕と生態が異なる日本原産の野蚕、つまり天蚕の歴史や文化を学ぶことができるのが安曇野市天蚕センターです。天蚕糸は、白い絹糸(家蚕系)と比べると艶のある優美な光沢と強伸力が特長で、「繊維のダイヤモンド」とも称され、最高級織物原料として珍重されています。特にここで作られる「穂高天蚕糸」は、織物産地から格別の評価を得ているほど質が高いことで知られています。
センターでは古くから受け継がれてきた機具や資料の展示、ビデオ上映などを通じて、天蚕の知られざる魅力に触れることができます。天蚕糸を使った幾何学模様のアート作りを体験できる「天蚕DE糸かけアート」などのワークショップも頻繁に実施。スタッフが丁寧に指導してくれるので、初心者でも安心して楽しめます。
https://azumino-tensan.jp/center/center
◇穂高人形ものがたり
最初に紹介した穗髙神社式年遷宮の一番の見どころは、地元の人たちが作る大規模、大迫力の時代絵巻「穂高人形ものがたり」。今にも動き出しそうな人形や動物、時代考証に裏づけられた人物飾りは圧巻の一語で、「穗髙の遷宮といえば飾物」と言われるほどの人気を博しています。
今年も氏子や住民らが参加する「一真会」「穂高睦友社」「七星会」「穂高健壮団」という4つの団体が、関ヶ原の戦いや本能寺の変など5場面を制作中。期間中は、境内を囲む森を背景に、きらびやかな大作を展示する予定です。
http://www.hotakajinja.com/sikinengosengu/
標高3000m級の山々が連なる北アルプス、仁科三湖と呼ばれる3つの湖の恵みを受ける自然豊かな信濃大町には、長く培われてきた歴史・文化と、移住者が吹き込む新たな風が、緩やかに溶け合っています。
◇ai coffee
空き家を改装して2021年10月にオープンしたばかりのコーヒースタンド「ai coffee(アイ・コーヒー)」。店主の荒居愛さんは福岡出身で、オーストラリア・メルボルンのカフェを渡り歩いてバリスタ修業に励んできたという経歴の持ち主です。
結婚、出産を機に、手厚い子育て支援や自然豊かな環境に惹かれて大町に移住した荒居さん。店の2階にある広い和室はヨガや読み聞かせなどの会場として住民に提供しており、取材中も小さいお子さんを連れた女性が続々と訪れては、笑顔で挨拶を交わしていました。
「空気が美味しいし、水も軟水で素晴らしい」と荒居さん。街のどこからでも見える北アルプスの雄大な姿もお気に入りで、「山を見ると勇気づけられます」と笑顔で話します。そんな荒居さんの人柄や、生産地や焙煎法にこだわり抜いたコーヒーのファンは着々と拡大中。大町の新たな拠点として、日々その存在感を増しています。
◇創舎わちがい
築140年の屋敷で、地元に伝わる郷土料理を味わえるのが「創舎わちがい」。アイ・コーヒーの荒居愛さんも仰っていたように、大町は抜群の水質(軟水)を誇る街です。中心市街地には自由に利用できる水場も多数。わちがいでは、そんな水と地元食材を使った料理を提供しています。
日本海沿岸で採れる海藻を煮溶かして固めた「えご」、餅を乾燥させて作る保存食「凍り餅」、美麻高原産の菜種を使った「菜の花オイル」、ニジマスとブラウントラウトを掛け合わせて生まれた「信州サーモン」など、多彩な郷土食の中でも特に注目したいのが「水ゼリー」。その名の通り、大町市の軟水をゼリーにしたシンプルなデザートなのですが、これが驚くべき代物なのです。百聞は一食にしかず。大町市にお越しの際は、ぜひご賞味ください。
メニューでも使われている地元の伝統食材の料理体験も可能。水源の異なる水の飲み比べや、食材を直に触れる体験を通して、大町で受け継がれる歴史や文化といった魅力まで一緒に味わうことができます。
◇市立大町山岳博物館
北アルプスを中心とする自然や登山の歴史を紹介する「市立大町山岳博物館」。高台にある施設の展望フロアからの眺めに、まずは圧倒されてしまいます。
館内には、今にも動き出しそうな瞬間を切り取ったカモシカやサルなどの動物の剥製を多数展示。幼鳥期からの変遷がよくわかるライチョウの剥製は、ライチョウの低地飼育に取り組んでいる博物館ならではの趣向です。生きた学習・研究の場としての役割を持つ屋外の「付属園」では、ライチョウやニホンカモシカ、ハクビシンなどの動物を間近で見ることができます。
山岳文化を伝えるフロアには、北アルプスに魅せられてきた人々の歴史、名だたる登山家の偉業を伝える貴重な資料がずらり。登山記録「風雪のビバーク」で知られる松濤明が遺した最期のメモや、井上靖の小説「氷壁」の題材にもなった“切れたナイロンザイル”なども展示されています。
https://www.omachi-sanpaku.com/
◇立山黒部アルペンルート
北アルプスを貫く、世界有数の山岳観光ルートである立山黒部アルペンルート。今年も4月15日に全線開通予定です。春の見どころは、巨大な雪の壁「雪の大谷」。電気バス、ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスと乗り物を乗り継いでたどり着く、標高2450mの室堂付近の「大谷」は特に積雪が多く、その深さは20mを超えることも。
4月15日~6月25日は、その「大谷」を通る道路を除雪してできる、高さ20mにも迫る巨大な雪の壁「雪の大谷」を観光することができます。大迫力の「雪の大谷」の間を歩いて、間近に見て触れることができ、息をのむ絶景です。
6月26日~10月15日までの期間は、なんといっても日本一の堰高186mを誇る黒部ダムの観光放水が見どころ。毎秒10トン以上の壮大な放水は圧巻です。運が良ければ虹を見ることができるかも…!?
https://www.alpen-route.com/index.php
◇山屋御飴所
米飴を主原料とした優しい味わいの飴で知られる老舗「山屋御飴所」。創業は1672(寛文12)年で、地元の人たちに長く愛されてきた逸品は、今も松本土産の代表格のひとつとして人気を集めています。
伝統的な製法を守りながらも、地元の同業者と協力して「飴の日」を制定したり、飴のイベントを開催したり、さらにはチョコレートに砕いた板飴を混ぜ込んだ商品を開発したり…と、飴の可能性を広げる展開にも積極的。週末には手毬飴の手作り体験会なども実施しています。
◇国宝松本城
戦国時代の永正年間に造られた深志城が始まりで、現存する五重六階の天守の中で日本最古の国宝の城です。大天守を中心に、「連結複合式」と呼ばれる独特の構成を持った五棟の櫓が連なる天守群は、四百有余年の風雪に耐え、戦国時代の優れた築城技術を今に伝えます。
黒と白のコントラストがアルプスの山々に映える景観は、松本城ならではの魅力です。
https://www.matsumoto-castle.jp/
◇とうじそば
日本有数の蕎麦どころとして知られる長野ですが、「とうじそば」という食べ方は地元ならではではないでしょうか。鍋につゆや野菜、山菜、鶏肉などを入れて温め、竹で編んだカゴにそばを取り、つゆの中で軽く湯がいて食べます。いわば、そばの“しゃぶしゃぶ”です。
寒さの厳しい信濃で、地元の人たちの体と心を温めてきたとうじそば。多くの有名店がありますが、「野麦路」では松本名物の馬刺しも一緒に味わうことができます。
◇善哉酒造
松本市は地下水が豊富で、今なお多くの自噴井戸や湧水があります。市街地の中に数多くの湧水があることは珍しく、「まつもと城下町湧水群」として平成の名水百選に選定されているほどです。湧水は井戸毎に味が微妙に違います。
綺麗な水があるということはつまり、地酒も美味しいのが松本。「城下町唯一の蔵元」として名高い「善哉(よいかな)酒造」は、
女鳥羽の泉や善哉などの清酒で知られています。
善哉酒造は飲み飽きない酒の味もさることながら、特に代表の奥さまである穂高早智子さんのキャラクターが大変なことになっています。見学も随時受け入れているのですが、早智子さんはお客さんが来ると好みに合わせて試飲を勧めてくれ、手作りの漬け物(これが実に美味しい!)も出してくれます。そして、酒への愛を語り始めたらもう止まりません。愉快な気持ちで会話と酒を楽しんでいるうちに、すっかりほろ酔い気分に…(笑)。
https://yoikanasyuzou.jimdosite.com/
◇萬年屋
1832(天保3)年創業の味噌の老舗「萬年屋」も城下町を代表する名店のひとつです。今では珍しくなった、大豆を2度熟成させる伝統的な製法「味噌玉造り」を守り続けています。
味噌は大手の寡占化が進んでいますが、社長の今井誠一郎さんは「工業製品ではない味噌の多様性を大切にしたい」との思いから、手間を惜しまない味噌造りに励んでいます。お土産品としての味噌の可能性を広げるべく、小型化して和菓子のような詰め合わせも展開。チーズのような独特の風味がする自慢の味噌を、気軽に手に取ってもらえるよう工夫を重ねています。
◇中町通り
松本城の城下町・善光寺街道として、江戸~大正時代の蔵造りの建物が多く残り、白壁となまこ壁の土蔵が立ち並ぶ独特の景観を保つ中町通り。
時代をさかのぼったかのような風景が広がり、白と黒が織りなす町並みは、どこか安らぎや懐かしさを覚えます。今は、伝統工芸品・飲食店などの専門店が並ぶ「観光商店街」として人気です。
◇縄手通り
松本城から歩いて5分ほどのところにあり、個性的なお店が長屋風に軒を並べる商店街です。女鳥羽川の土手から始まった通りで、「縄のように長い土手」から「縄手」と呼ばれるようになりました。松本初の夜店が始まった場所でもあります。
現在もたい焼き店や雑貨屋などが並び、買い物や街歩きが楽しめる人気の観光スポットです。
◇松本市美術館
松本市美術館では、郷土ゆかりの芸術家の作品、山岳や音楽をテーマにした作品などを収蔵しています。年間4回ほどの企画展を開催しており、これと並行して展示替えをしながら収蔵品によるコレクション展も開催しています。
コレクション展示では、地元出身の世界的な前衛芸術家・草間彌生の特集展示をはじめ、書家・上條信山や洋画家・田村一男の記念展示も行っています。
大規模改修工事のため現在は休館していますが、2022年4月21日(木)にリニューアルオープン予定です。
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