4季ぶり頂点奪還へ
ラグビーリーグワン1部のコベルコ神戸スティーラーズがあす24日、ホーム開幕戦を迎える。昨シーズン7位と低迷したため、今季は例年より3カ月早く始動。スローガンに「TRUST(信頼)」を掲げてチームの再建と団結を図り、前身のトップリーグ(TL)以来4季ぶりの頂点を目指している。チームの現状や目指すラグビースタイルを紹介し、ともに今季から新たにチームを率いるニコラス・ホルテンヘッドコーチと、橋本皓主将に練習での取り組みやファンへのメッセージなどを聞いた。
チーム一丸、ファンに笑顔を いいスタートダッシュを切る
|始動からの5カ月を振り返って。
ホルテン シーズンが始動した初日に、優勝を目指すという方向性とともにチームスローガンを「TRUST」に決めた。大半の選手が話し合いで「信頼し合えるチームにしたい」との思いを口にしたからだ。
「アタッキングラグビー」ではディフェンスも重要。このチームに関わって10年になるが、神戸がいいラグビーをしているときはディフェンスもよかった。守備のレベルを上げないといい攻撃はできない。
長いプレシーズンだったがよい練習が積めたし、地域の人々とのコミュニケーションを深めることもできてよかった。
橋本 アタッキングラグビーの定着にしっかり時間を割いてきた。攻撃だけでなく、守備も果敢に攻めるのがアタッキングラグビー。昨シーズンの終盤は得点するけど失点も多い、というしんどい試合が多かった。強いチームはディフェンスがしっかりしている。
「TRUST」を構築するため、ときに激しくぶつかったり要求したりしながら、厳しい練習を積んだ。新加入選手や外国人も多くいるので、練習時間に限らず、いろんな人としゃべってコミュニケーションを取るようにした。
|どんなシーズンにしたいか。
ホルテン 神戸のDNAである「アタッキングラグビー」で笑顔をファンに届けたい。ゲームには勝ったけどつまらなかった、とファンに思わせるようなラグビーはしたくない。SO李承信リスンシン、FB山中亮平ら、日本代表の経験がある選手にはもちろん注目してほしいし、活躍してもらいたい。ただあくまでも目指す方向は、個人の技量に頼るのではなく、チームが一丸となって得点、勝利していくスタイルだ。
橋本 過去2シーズンの反省を踏まえて、今シーズンは序盤からいいスタートダッシュを切りたい。24日は先月のプレシーズンマッチでは52―38で勝った花園と対戦する。
シーズンを通じてお互いが信頼し合えるチームとなり、その先に優勝があれば一番いい。う昨季は僕たちも悔しい思いをしたが、ファンの人たちも同じく悔しい思いをした。コロナ禍でファンや地域の人々と長らく交流できなかったが、このプレシーズンは応援の声をたくさんかけてもらった。今季は強い神戸が帰ってきた、と思ってもらえるように頑張るので、応援よろしくお願いします。
挽回に向け7月より始動
リーグワン初年度だった昨シーズン、神戸は7勝9敗の7位に終わりプレーオフ進出を逃した。新型コロナウイルス感染による不戦敗(2試合)を除いても、TL以降最多の敗戦数。開幕戦を1点差で落として序盤で波に乗れず、その後もシーズンを通じて失点が多く、疲弊する試合が目立った。ただ序盤に敗れた横浜、浦安に終盤でリベンジし、光明が差して昨シーズンを終了。その上向いた流れを引き継ぎながら下位からの挽回を果たそうと、昨年より3カ月早い7月から練習を始めてきた。
新加入13人、チームワーク構築
プレシーズンの5カ月間で力を注いできたのが「アタッキングラグビー」。攻撃・防御の両面で当たり負けず、細かいパスで前進するラグビースタイルだ。日本選手権7連覇の黄金時代、2018年トップリーグ制覇の基盤となった“神戸のDNA”とも言えるが、一朝一夕にはいかない。しかも今季は例年より多い13人が新加入し18年の優勝メンバーが3分の1以下に減るなどメンバーの入れ替わりが進んでいる。そのため、じっくり時間をかけてチームスローガンである信頼関係を醸成し、チームワークを高めてきた。
地域交流、催しも活発に
例年より早く始動したことで、グラウンド外での活動時間も増えた。ともに阪神・淡路大震災を乗り越えた灘浜グラウンド近くの企業と交流会を開催し、東灘区の商業施設でトークショーや綱引き対決を企画したイベントには親子連れら約千人が詰めかけた。児童たちが歩く通学路に選手が立つ「見守り隊」、小学校に選手を派遣するタグラグビー教室などの活動も継続している。リーグワンが求める「地域密着」をTL時代から実行する神戸は、地元の応援を力にして優勝を目指す。
神戸新聞社デジタル推進局WEBマーケティング部
TEL:078-362-7329 FAX:078-336-3395
Mail:sales-ad@kobe-np.co.jp