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  • 2023/2/1 08:00
  • 神戸新聞社【Build New Local プロジェクト】

新聞ではなく海の幸を運ぶ?! 神戸新聞社の新たなる挑戦

新聞ではなく海の幸を運ぶ?! 神戸新聞社の新たなる挑戦

 
新聞配達用のトラックでホタルイカを輸送するときの様子

 

神戸新聞社は新規事業で新しい地域社会の構築を目指す「Build New Local プロジェクト」に取り組んだ。「~生産者と消費者をつなぐ物流に付加価値を~ 地域物流で地域活性化プロジェクト ひょうごとれたてフレッシュ便」と題し、兵庫県の日本海側に位置する新温泉町からホタルイカ、隣町の香美町からカニ、淡路島の沼島(ぬしま)からアジを新聞配達用のトラックで神戸・三宮まで届けた。

 本記事では、神戸新聞社が試行錯誤しながら歩んできた1年間を振り返る。

 

新温泉町のホタルイカ180kgが数時間で完売

 ホタルイカを運搬・販売した際は、新聞紙面とウェブでの販売の告知に加えて食文化や水産加工技術などの情報を発信。結果的に約180kgのホタルイカが数時間で完売するほどの大盛況であった。新温泉町役場の松本晃さんは「新温泉町の新鮮な食材をお届けできたこと以上に、いいものは売れるんだという自信に繋がった。地元のものを都市部で販売する『地産都消』が形になればいいなと思う。」と話してくれた。また、「告知を見て神戸市近郊に住む新温泉町出身の方が買いに来るなど、告知の力はすごいなと思った。」と、情報発信の重要性についても話してくれた。

浜坂のとれたて旬のホタルイカ

 

漁期が終わる直前の5月にとれた香美町のカニふるまい

続いて、カニを運んだ際はHYOGO SAKE EXPO2022というイベントでのふるまいという形で実施。イベントPRは行ったものの、カニに関する情報発信は行わなかったので産地や輸送過程などの背景に興味を持つ人が少なかった。香美町役場の天良真浩さんは「カニの種類や食べ方、漁期を知っている人が意外に少なかった。」と、イベントの様子を振り返った上で、「兵庫県にはすばらしい資源があるものの、地域ごとに気候・風土が大きく異なり県民ですら魅力を十分に認識できていない。地方紙の輸送網や情報網を活用して多くの人に広まれば」と、今後の期待についても話してくれた。(カニの漁期は9月~翌年5月末)

 

神戸ポートピアホテルで淡路島で採れたアジの品評会を実施

最後に実施したアジの取り組みでは、飲食店関係者などを対象とした品評会を神戸ポートピアホテルと協力して実施。沼島一本釣り産直部の上野宏文さんが「品評会で何人かにお声がけしてもらった。」と述べたように、アジの取り扱いを始める飲食店が出てくるなど、新たなビジネス創出へのきっかけになることが出来た。また、「近年アジが不漁であることが不安。今後はアジにこだわらず、秋から冬に旬を迎えるタイの魅力も伝えることができれば嬉しい。」と、次のビジネス創出への可能性も感じさせてくれた。

ポートピアホテルで調理されたぬしま鯵
 
秋~冬が旬に旬を迎える沼島のタイ。

 

おわりに

新聞社の持つ情報発信力に輸送網という別の特徴をかけ合わせ、モノと情報を一緒に届けることで新しいビジネスが生まれた。これまで交わることのなかった記者とドライバーが手を組み、考えもしなかったことを考え、やったことないことをやり、地域の人々が繋がり、新聞社としてのビジネスは辿り着いたことのないところにまで辿り着いた。ようやく芽が出始めた地域情報、人、モノが巡る本事業を今後も大きく育てていきたい。

神戸ポートピアホテルでぬしま鯵の試食会の様子
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